【最初に三行】
1.この先一週間、一日の寒暖の差=日較差が非常に大きくなる予報です。
2.日較差が大きい時は体温調整に失敗しやすく、風邪を引きやすいので暖かい服装を。
3.日中の気温が上がると乾燥が顕著になります。喉鼻の粘膜を守って風邪を寄せ付けないようにしましょう。
【以下本文】
まとまった雨が降りました。昨年終盤から雨の少ない日が続きましたから、3月に入って二度のまとまった雨で、やっと人心地ついた気分です。
昔から「一雨ごとに春が近づく」などと申します。基本的に乾いた風が吹き続ける冬型の気圧配置が徐々に緩み、この周辺に近づくことも出来なかった低気圧が到達して雨をもたらすようになるのを、「雨が降るから暖かくなる」と捉えたモノなのだろうな、と思います。勿論、雨をもたらす低気圧は暖かく湿った空気を持ち込むことが多いですし、去った後の低気圧に向けて吹き込む南風が、太平洋の暖かい空気を呼び込んだりもしますので、正しい解釈とも言えるのですよね。
さて、そんな熊谷の春の訪れはこんな感じになりそうです。
信頼度Aが出ているので、かなりの確率でこうなるとみて良いでしょう。とても暖かくなりそうです。3月の上中旬としては暖かすぎる位の陽気です。
しかし、よく表を見て頂くと、最高気温の高さに比べて、最低気温が低いことも読み取れます。夜中も晴れて天気が良いことで放射冷却が進むため、朝晩はまだまだ寒いです。前回のエントリでもお話しした、「日較差(一日の最高気温と最低気温の開き)」が非常に大きい状況です。13日から15日にかけては、毎日日較差が18度も開きます。
こうした天気の日は、体温調節を司る自律神経系が混乱し、体温調節に失敗しやすくなります。日中の暖かさに対応しようとして放熱モードに入った体からはどんどん熱が逃げていくのに、日が沈むと周囲もガンガン冷えていくので、体が冷えすぎてしまうのです。風邪を引いてしまうリスクの高い状況と言えます。
朝晩の寒さに体が対応しきれないのが風邪を引く原因であれば、朝晩の寒さを感じにくい服装や飲食物で体を温めれば、それに対抗しやすくなります。いつも以上に暖かい服装と寝具をご準備下さい。暖かい飲食物で、体の中から温めるのも効果的です。寒い朝方からの通勤通学には、厚手のコートをどさっと着込むよりは、やや薄手の上着を重ね着して、気温に合わせて着脱して温度調整をすると良いでしょう。厚手の服だと、気温の下がり始めた時に着込むことを躊躇してしまうので、体を冷やしやすくなります。
また、日中の最高気温が非常に高くなっているため、湿度の低下も大変厳しくなると推測されます。空気中の水分の量が同じ場合、気温が高くなればなる程、湿度が低くなるからです。実のところ、この周辺での最低湿度の記録は、ほぼすべて3-5月頃の暖かくなる時期に叩き出されたものです。空気が乾くと、喉や鼻の粘膜も乾燥します。風邪などの病原体との戦いで最前線となる喉や鼻の粘膜が乾燥すると、免疫力が低下し、とりついた病原体の増殖を抑えきれない事態に発展しやすくなります。
加湿をしましょう。特に、暖房をする時には、可能な限り加湿をして頂くことをお勧めします。事務所や居間、寝室など、長時間滞在するお部屋を加湿すると、免疫力の高い状況をより長く維持出来て、感染症のリスクを下げることが出来ます。水分をまめに取ることもお勧めです。
「暖かくなってきたから」と油断しがちなのに、環境面では寒い時と同じ、下手をすると寒い時以上に感染症リスクの高い状況が予想されます。ちょっとした一手間で、より過ごしやすい環境を作って、風邪と縁遠い快適な生活を送って下さい。